着物を着たら、装い(よそおい)に合わせてメイクも和風にアレンジしましょう。
洋服の時と同じメイクでは、着物とのバランスが取れません。公式の場ではひんしゅくを買ってしまうことも…。
でも大丈夫、着物に似合うメイクのポイントを知っていれば、和装美人になるのは難しいことではありません。
最初のポイントはベースメイク
着物の時のメイクでは、ベースメイクに重点を置きましょう。
「色の白いは七難隠す」と言う言葉があるほど、日本では白い顔が美しいとされてきました。
実際、着物を着た時には、色白の顔の方がくっきりきれいに見えます。
とりわけ振袖のように鮮やかな色彩の着物は、ナチュラルメイクでは肌がくすんで見えてしまいがちです。
普段はナチュラルメイクの人も、着物の時は若干白めのベースメイクを心がけます。
ただし、顔だけ白い「お面メイク」にならないよう首元もパウダーをして、手の甲や耳にも塗るとバランスが良くなります。
「切れ長美人」のアイメイクが着物向き
通常(洋服)のメイクでは、眼元はぱっちり大きく見せるのがセオリーですが、着物の時は「ぱっちり」よりも「切れ長」にこだわるのも良いでしょう。
アイメイクをする時は、アイラインをくっきり、切れ長を意識して入れてみましょう。
アイシャドウは眼元がぼやけないよう眼のきわに沿って入れます。
エクステやつけまつげは縦にボリュームが出てしまうので、付けるとしてもボリュームを抑えてシャープに仕上げてみましょう。
眉(まゆ)はしっかり描きます
ベースメイクが白い分、眉が薄いと顔がぼやけてしまいます。眉は細くなり過ぎないように、きちんと描くようにしましょう。 チーク&シャドウは控え目にして凹凸をつけ過ぎないように。
着物の場合、チークシャドウ、ノーズシャドウ、ハイライトなど、「顔を立体的に見せるメイク」は基本的に合わないと思ってください。
着物は、平面的な顔立ちの日本人に調和するように作られた衣装なのです。
普段のメイクを和風にアレンジする時は、シャドウなどで顔に「影を作らない」のがポイントです。
チークも顔色が悪く見えないように、ほんのり引く程度で。
着物を着ている時にチークが目立つメイクは、子どもっぽ過ぎる印象になります。
リップは唇の輪郭をはっきりと
年上の方が多い席では、真っ赤なリップカラーなど派手な色は避けたほうが良いでしょう。
和装の世界では洋服以上に年齢に応じた「らしさ」を大切にします。
未婚の女性なら娘らしく、優しい色合いで小さ目に唇を描くのがおすすめです。
グロスは品がなく見えるので、マットに仕上げましょう。
ナチュラルな色のリップカラーにする場合、ベースメイクが白いので、口元がぼやけないように輪郭ははっきりと描くようにします。
以上のように、和装の世界にはさまざまな「決まりごと」があります。
女性の場合は、未婚と既婚で着る着物も着付けの仕方も変わります。
メイクも普段通りではなく、T.P.Oに気を配りましょう。ポイントを押さえたメイクにすれば、着物姿がいっそう美しくなります。
ただ、だからと言って、着物を「ルールだらけで堅苦しい」とは思わないでください。これらのルールは着物を着た時のあなたを「より素敵に」見せるためのコツなのです。
どうせなら綺麗に着物を着こなしたいですよね?
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織田きもの専門学校では、「ヘアメイク」の授業の中で和装に合う髪形やメイクの実習を行います。
そして、普段の自分のメイクだけでなく、イベントの際のきものショーなどの時にはモデルを務める学生のヘアメイクも担当します。
着付け・和小物コーディネート・髪・メイクと、きものを装う全てを学びます。